倉庫・工場では、機械・設備の不具合や人為ミス、不適切な作業環境、自然災害など、様々な事態が作業中に起こります。

このような事態に対して、関係者間でのコミュニケーションが不足すると、製品の品質低下、不良品の発生、作業ロス、工程中断、出荷時の破損、荷崩れ、在庫増加、遅配・納期遅れなどの問題が発生します。

日本の倉庫・工場のIoT化の現状と課題

このため、倉庫・工場にIoT技術を活用した新たなコミュニケーションが求められています。

総務省における通信利用状況動向調査では、製造業の14.6％がIoT、AIを導入していると回答しています。（2019年データ）

大企業が先導してデジタル化を進めており、日本の倉庫・工場のIoT化については今後ますます発展していくことが期待されます。

中小企業においても、 IoT化の推進が求められていますが、導入に向けた課題もあります。

投資余力の限られる中小の製造業や物流業では、高額な設備投資が障壁となっています。

また、IoTの開発・運用には、高度なスキルや知識が必要となるため、専門知識をもったデジタル人材の育成も求められています。

設備・機器は、インターネットに接続しているため、サイバー攻撃などによる情報漏洩や機器の乗っ取りなどセキュリティ対策も行っていく必要があります。

次に、スマート工場・倉庫によるIoTを活用した業務プロセスの改善や効率化のソリューションについてご紹介します。

スマート倉庫・工場のIoTコミュニケーションとは？

スマート倉庫・工場の主なIoTソリューションを以下に挙げます。

①センサーデータの収集・分析

倉庫・工場内のセンサーデータを収集・分析することで、機械・設備の状態や室内、冷蔵庫の温度管理・記録ができます。異常検知の際は、アラート機能で知らせてくれます。

②在庫の管理

RFIDタグを製品・原料に貼り付けておけば、倉庫・工場内の物品の在庫状況や、製造日、消費期限の管理ができます。

③エリア侵入防止

人感センサーや顔認証機能によって、従業員や外部の侵入エリアを制限します。

監視カメラでは、従業員や外部からの不審者の動きを監視します。

⑤モバイル端末の活用

必要な情報をモバイル端末で共有し、作業員同士の連携を促すことで、作業品質の向上、ロスの削減ができます。

⑥運搬ロボットの導入

建物内の荷物運搬ロボットにより、出入庫や運搬作業を自動化し、精度の向上や作業効率の改善が期待できます。

倉庫・工場のリニューアル計画では、IoT、AI技術を適所に配置し、関係者間の新たなコミュニケーションによって生産性を向上図っていきましょう。